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たまにはきつい内容で、、、でも現実から目を背けたくありません。
先日の新聞を見て驚きました。文部科学省の教科書検定の結果です。高校日本史の教科書で、沖縄戦での「集団自決」について、軍の強制があるとの記述を修正するように求めたとのことでした。
実際「集団自決」が軍の強制であるとの記述をしていた出版社は、、
実教出版(日本史B二冊)
三省堂(日本史A、B)
清水書院(日本史B)
東京書籍(日本史A)
山川出版社(日本史A) の5社7冊です。
どれもこれもわりとメジャーな出版社です。関西の高校では、山川と実教で、9割以上を占めていると思います。これら実際生徒が使っている教科書では「集団自決」に関する記述が今まで書かれていました。これに対して、政府が削除修正を求めたということはかなりゆゆしきことだと思います。(山川だけは自主的に修正しましたが)
そもそも、沖縄戦の「集団自決」が軍によって本当に強制されたかどうなのかということですが、これはいうまでもありません。軍の強制以外の何ものでもありません。この判断に関しては現在大江健三郎氏が大阪地裁で係争中です。
しかし、すでにアメリカ合衆国の公文書館で、軍の強制であることを裏付ける資料が存在することを沖縄タイムス社が公表しています。この文書に関して裁判では「文書は座間味でも渡嘉敷でもない慶留間島のものだ」として訴訟そのものには反論しているものの、軍の強制による「集団自決」が沖縄であったことは半ば認めたことのように思えます。
個人的には、僕自身座間味も渡嘉敷も行きましたが、「集団自決」に関して軍の強制ではないと否定する人は誰もいないと思います。そもそも軍に手榴弾を「集団自決」をほのめかせつつ各家々に配布している時点で、すでに強制されているといってもいいように思います。手榴弾は軍の許可なしに、一般人に手渡されることはありませんから。
そして、何よりこの政府の考えや裁判自体が、現実に今沖縄で暮らしている人たちに非常に失礼なことだと思います。沖縄県民は、身内で沖縄戦に巻き込まれていない人はほとんどいないと言われています。そういった沖縄県民の心情を逆なでし、まるで「集団自決」が国に殉じて死を選んだかのように書かれていることを現場の先生方がどう指導されていくか、相当な判断を強いられると思います。
最近「集団自決」にせよ、それ以外の歴史的な「事実」に関して非常に「証拠」というものにこだわります。歴史では、こういった科学的「証拠」というものはやはり「書かれたもの」にある程度限定されてしまいます。いやむしろ書かれたものでも「証拠」になりえないものもあるので難しいところです。
歴史を研究する上で、科学的「証拠」を探すことはたしかに大事です。有識者によって明らかにされるべきことも確かです。しかし、その歴史を背負って日々生きている私たちにとって、もっと大事なことは今日であり明日であると思います。そのための歴史研究・歴史教育であることを忘れてほしくないです。
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京都寺子屋塾の塾長です。
大阪出身で、現在は上京区民です。
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